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松毬の丘で。

2番目の時

生まれてすぐ、NICUに入院となった娘。
そして、家には息子が居る。
1番目で懲りていたので、本当は、実家に戻りたくなかったのだが、
とにかく母乳を搾る事に全く向いていない我が家。
(1番目でも搾乳はしていたが、それは全部、職場の給湯室や洗面所で、ゆったり、やってました。)
諦めて、実家に戻ったら、やっぱり、ブルーが来た。
前より、食欲が沸かない。
でも、食べなくちゃ、母乳が搾れない。
ちょっとしか出ないから、搾りたくない。
もーう、ぐるぐるしてて、精神状態最悪でした。
気が付けば、あっという間に、娘が入ってた時より、体重が10キロも減ってしまった…

だいたい、NICUに入院ということで、それでなくても、
「あの日、こうしていれば、今頃…」
とか、考えなくても良いことも、暇だからどうしても考えてしまうわけで

することと言ったら、(お風呂には入れないから)おっぱい絞るか、食事するか、その程度。食欲無いから、おっぱいも出ない。

ので、産院に行って、マッサージしてもらう。
マッサージしてもらって、母乳が出たので、絞ったほ乳瓶を返しに行ったら、産婦さんがいたので、挨拶したら、「どうしたんですか?」って話になったので、「母乳搾ってたんです。」とパックを見せたら、あまりの少なさに、鼻で笑われた。(50cc無かったからねえ…)

ものすごーく、傷付いた。

そりゃあ、沢山出る人から見たら、冗談のような少なさでしょうが、私の、30分の、懸命の量だったのだ。
あの時の事は、今でも悔しくて目頭が熱くなる。
同時に、人間は、どうやったって、「自分」を基準に、モノをとらえがちな生き物なのだということを思い知る。

自分は、もっともっと、思いやりのある人間にならなければ。
心から、そう思った。

この時期は、妊娠時期のイライラから、なんだかんだ、人間関係のトラブルも増えた時期だった。人は、心に余裕が無いと、つい、人に辛く当たってしまう、なんで自分だけ?そういう考えに陥りがちだ。

でも、人間が、「自分で思い通りになること」なんて、実は、ほんのちょっとしかない。すべて、この大自然のおもむくまま、その流れに、けして逆らえはしないのだ。
自分の子供の命さえ、自分一人では、どうしようもないのだ。

退院し、家に帰って、仕事復帰が近づく頃、ようやくブルーから解放された気がする。その間、保健士さんや、周りの友人達、皆の協力が大きかったのは、言うまでもない。

人は、一人で生きているわけではない。その事を強く実感するのも、子供を産むときだと思う。




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